2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧
新潟のむかし話「団子ころころ」は典型的な勧善懲悪のお話である。 貧乏だけど正直な稼ぎ手のじさとばさのところには富が転がり込み、隣の欲張りばさと怠け者じさにはそれぞれ、大けががもたらされる。 この両者を比べてみると、まず団子作りである。いいば…
新潟のむかし話の「旅学問」を読んだ。遊び人のあんにゃを旅に出したばさの方針も、体験から学ぼうとするあんにゃの姿勢も、とてもよいと思った。しかし、あんにゃは旅でおぼえてきた言葉を使おうとしたが、肝心な時に、相手には伝わらないのだった。これを…
新潟のむかし話の「ふうふうとんとんいいかん」を読んで楽しくなってしまうのは、なんといっても、和尚さんと小僧さんの食い意地のすごさだ。 和尚さんは甘いものが大好き。小僧が好きなのも知っているが、だからこそ、独り占めして一人でこっそり食べたい。…
昭和39年に童心社から出された紙しばい名作選「つるのおんがえし」では、登場人物は子どものないおじいさんとおばあさん。おじいさんが鶴を助けると、その後、鶴は娘の姿となってやってきた。「どうか、このうちの子にしてください」と言って、おじいさん、…
例えば試験に落ちたときなどに、「実力でしょ」といわれるよりも「運がなかったね」 といわれる方が、優しい慰めの言葉である。 いわれる方も、自分でも9割方、実力が足りなかったと思っていても、「ああ」とか答えてあえて否定はしない。 実力は自分の努力…
このところの新型コロナで巷は姦しい。 新潟のむかし話の「食わず嫁さ」の鬼婆の住む山の岩穴は、そんなニュースが伝わるはずもなく、静かである。しかし、静か過ぎるのである。落ち武者はおろか、旅行者が迷いこんでくることが全くなくなってしもうたんだと…
いうまでもないが、「鳥のみ」は、「鳥の身」でも「鳥の実」でもなく、「鳥飲み」または「鳥呑み」である。 うっかり鳥を飲みこんでしまったじさまの話。 ちっちゃこい畑を一生懸命、耕していた働きもんのじさま。このつつましさだけでも、わたしはこのじさ…