悠久城風の間 blog語り部のささやき

悠久城風の間の語り部 楯よう子のささやき

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「野生のような生きる勇気」

「羅生門」が国語の教科書の定番だと聞いて、わたしは驚いたのだった。当然、高校だと思ったら、中学校だったという人も複数いて、「私、好きでした」と若い女性が言うのを聞くと、なんとなく戸惑ってしまう。明るく清潔な教室。きちんと並べられた机と椅子…

「いるか」

悠久城風の間の扉を開くと、飛び込んでくるのがこの言葉だ。「いるか・・いないか・・・・ゆめみているか」谷川俊太郎のことばあそびから、何とわたしに書を書いてくれる人がいた。わたしには全く思いがけない事だった。ある紙芝居劇場で、参加者みなと谷川…

「その場に身を置くこと」

たとえば、バイオリンの演奏が心躍らせる時、もちろん、その曲の美しさと演奏の巧みさがあるのだが、演奏するバイオリニストをうっとりと眺めているような気がする。感動させることに、バイオリニストの肢体と顔とその動きという視覚からの情報がどのくらい…

「顔出し」

「知り合いの10人が10人とも、顔は出さない方がいいといったよ」 と、鋭い目つきを投げてよこすS氏。 「若くなくて美人でないだろう。おばあさん、見たら、みんなすぐ消すよ」 「花とかのほうがまし。今度やるときは顔は出さないこと」 全く、容赦がない。 …