悠久城風の間 blog語り部のささやき

悠久城風の間の語り部 楯よう子のささやき

2021-01-01から1年間の記事一覧

The Story of Gingya, the Evening Sun

I bullied and abused my child, then I was all alone. Night and day, for me, the world is only gray. My heart is empty. I cannot see either the morning sun or the evening sun. No matter how hard I try, I cannot sleep. No matter how much I d…

The Story of Kikki, An Orphaned Mountain Monkey

If you had no one in the world to help you, what would you do? Would you try to find someone who could help you? Well, that would be something worth trying. But what would you do if you could not find anyone despite your efforts? Well, I w…

Tora Nyago Tells Her Story

A cat is quietly taking a nap beside you. You should not underestimate such a cat because it may be casually watching you. It may be giving you some unnoticeable little inspiration and it can even make you take action. As Tora the cat save…

めざせシンガーソングライター

そういえば、1970年代頃か、シンガーソングライターってよく耳にして、かっこいいなと思っていた。 私は、音程がとれないので歌が歌えない。その曲として作られた旋律を歌わなければならないのに、その旋律を自分の中から引き出すことがうまくできない。音痴…

The Story of the Old Princess Otohime Born in the Palace of the Dragon King under the Sea

When I get old, I want to have a relaxing lifestyle. It would be nice to have an easy life, living off my pension benefits, which I have been looking forward to. Taro Urashima instantly became an old man after he returned to his native vil…

Hoin, the Greatest Buddhist Priest, Visits the World of the Dead

In my childhood, I often heard, “If you tell a lie, you will have to swallow 1,000 needles,” or “your tongue will be pulled out.” Actually, it’s been hard for me to live without telling any lies. Am I going to Hell? Will the Great King Enm…

パスティーシュ第18 弾「末っ子うさぎの語り」

のんびり穴の中でいつまでもお昼寝していられたら、楽ちんでいいよね。 冬眠どころか、春になっても寝ていたい・・。カエルのフッケロみたいに。 夏の暑い時には、ひんやりとした穴の中が気持ちよさそう。 でも、寝てばかりだと、つまらない? もっと外で飛…

パスティーシュ第17弾「月子あねさの語り」

あなたが鏡をのぞきこんで見えるのは、あなたの顔。あなたが隣の人の鏡をのぞきこんでも、そこに見えるのはあなたの顔。 結局、見えるのはいつも自分の顔っていうことよね? 新潟のむかし話2「あんじょさんの裁判」を読んだ人々は、みな、口々に言うのだっ…

パスティーシュ第16弾「鏡杉の語り」

「山の上から水を引かないことには、どうにもなんねえ。この際、鏡杉を切り倒して、田んぼに水を引こう。でなけれりゃ、おれたちが干上がってしまうからな。」 三郎太が言った。 「何をいっているんだ。鏡杉は村の守り神だ。守り神を切り倒して、おれたちが…

パスティーシュ第15弾「長い長い名前の子の語り」

あなたは、長い髪、すてきだと思う? きれいな長い髪、あこがれだわ。風に揺れる長い髪。 でも、仕事中は髪が長いとじゃまかも。 とにかく、きれいでなくっちゃ。 ただ、長ければいいというわけでもないわよね、女の髪は。 ・・・そして人生もそうかも・・ね…

パステーシュ第14弾「青いみつばちブンブンの語り」

あなたは昨日の夜、どんな夢をみたの?わたしは花園でチョウチョになっていたわ。でも6時になって目覚ましがなると、チョウチョではなくなっていた。もっとチョウチョでいたかった。花から花へと、遊んでいたかった・・・ そしてあなたの夢の花園へも遊びに…

パスティーシュ第13弾「竜宮生まれ乙姫ばばさの語り」

年をとったら、のんびり暮らしたいね。憧れの年金暮らし。らあくらくと暮らしていけたらいいよね。浦島太郎みたいに、村に帰ったら、一気に年取ってしまって、だれも自分を知らないとなると、助けてくれる人もいないわけだけど・・・。 まあ、そこにいくと、…

パスティーシュ第12弾「みなしご山猿きっきの語り」

誰も助けてくれないとき、あなたならどうする? もっと助けてくれそうな人を探す?そうね。それもひとつね。でも探しても見つからなかったら? うーん。とりあえず、寝て待つわ。じたばたして疲れるよりましでしょ。 新潟のむかし話2「猿むこさ」を読んだ人…

パスティーシュ第11弾「山賊女房お花の語り」

そりゃね、出会った頃にはね、あの人も澄んだ瞳でわたしを見た。そういうときもあったわ。いつからかしら。あの人の目がわたしに向けられなくなったのは? それである時、わたしはのぞいてみたの、あの人の目を。そしたら、なんか、どろんとしていただけ・・…

パスティーシュ第10弾「天下りかっかー鬼婆になっての語り」

鬼婆は死ぬことがないらしい。長生きして、いつまでも生き続ける。若さが失われて、醜くなって、恥じらいもなく、食べることだけはあさましくなって。 ぼんやりしていたら、わたしもそんな鬼婆になるのかしら。そんなのいやだわ。でも、もう、半分、鬼婆にな…

パスティーシュ第9弾「大蛇になったあねさの語り」

あなたは、おはぎ好き?わたしは大好き。三つも四つも食べられるわ。そんなに食べて大丈夫?って、あなたは思うのね。大丈夫。食べたいだけ食べましょう。食べたいときに食べたいだけ食べるのが、しあわせ。遠慮したり、気取ったりは、なしよ。 昔は、らくら…

パスティーシュ第8弾「冥土めぐり法印の語り」

嘘をついたら、針千本飲ますとか、舌を抜かれるとか、子どもの頃には、よく聞かされたわ。でも、わたしには、嘘をつかないで生きていくことは、難しかった・・・ わたしは、地獄に落ちるの?閻魔さまの裁きって本当にあるの・・・・ 新潟のむかし話2「法印…

パスティーシュ第7弾「天人かかさ かっかーの語り」

穏やかで平和な毎日が続くこと。それを願うのは、あなたが、心穏やかでなく、争いやわざわいの多い日々をかかえているということかしら。 穏やかな日が急に奪われるのは困るわ。ただ、そのために、わたしは小太郎を授かったのだった・・・母であるわたしには…