2020-01-01から1年間の記事一覧
ネコは、神秘的な目をしている。きらきらと輝く その目で何を見ているの。何を考えているのかしら。黙ってあなたの膝にのってくるかと思うと、プイと勝手に外に出かけてしまったり、気まぐれなネコ。コタツで眠ってばかりいることも・・・。 眠っている間は…
雷の光ととどろきは、地上に何をもたらすのでしょう。 五穀豊穣を?生命の芽生えを?遺伝子の変異を? それとも、私たちに天の怒りの恐ろしさを、思い知らせようとしているのかしら?・ ・・・ 新潟のむかし話2「かんなりさまの子ども」を読んだ人々は、み…
世間じゃ、器量よしでないと、かわいがられないの?器量よしでないと相手にされないの? 嫌われるだけ?不細工な顔はどうしたらいいの。捨てればいいの? 生まれたときから、わたしの顔は不細工。そしてだんだん、もっと崩れた。 こんな顔、とりかえたい。 …
世間はわずらわしい。ひとり自分の巣の中で、眺めていたい、人々の祭りを。踊りを。人生のゲームを。そんな日々を、神ならぬ天狗も、そして、もしかして、あなたも望んでいるかしら。それは魅力的なあなただけの巣ごもり楽園。でも、そこには危険な罠が・・…
子どもをいじめて、虐待して、一人取り残された・・・ 夜も昼もなく、灰色の時間が流れるだけ・・ この心は何も感じない・・・ 朝日も見えない、夕日も見えない。 眠ろうにも、眠れない・・ いくら飲んだくれても、忘れさせてくれない・・ 重いからだをかか…
新潟のむかし話2「猫檀家」を読んだ人々は、みな、口々に問うのだった。 「どうして姫君の棺桶が天につり上がって、動かないでいるの?」 「トラが姫君の棺桶を操っているの?」 「いったい、トラって何者?」 そこで、わたしは、トラに取材を試みた。以下…
高齢者施設で紙芝居をしたとき、「宝物をもらえる話がいい」と言われたことがあった。 たいていの人は「大判小判がざっくざく・・」と聞くとうれしくなるものだ。 はなさかじいさん、ももたろう、たのきゅう、かさじぞう、たこやたこざえもん、したきりすず…
新潟のむかし話2の「鯖売りと鬼婆」 この作品に心ひかれるのは、鬼婆のシンプルな生き方を見るからだろう。 わたしは以前から山姥や鬼婆にあこがれていたのだった。 その生命力。鬼婆は、鯖売りの鯖を奪って食べ、牛を丸ごと食べ、それから鯖売り自体をも食…
新潟のむかし話2の「山賊の弟」 この作品が心を打つのは、山賊の涙が清らかだからだろう。 恐ろしい姿となっている山賊と、まじめに勤めを続けていた弟との偶然の出会い。 山賊は弟とは知らないで、弟の有り金全部を巻き上げた。その時弟に与えたさびた刀は…
新潟のむかし話2の「あんじょさんの裁判」 まるくてピカピカ光るもんのなかに、兄が見出したのはなつかしいおとっつあの顔。 しかし、いつもこっそり2階に上がってブツブツ言っている兄を怪しんだあねさ(嫁)が、見出したのは、若くて器量よしの女しょ。 …
新潟のむかし話2の「長い長い名前」 古典落語の世界にも「寿限無」があり、早口言葉としても親しまれている。 生まれた子どもがいつまでも元気で長生きできるようにと考えて、とにかく「長い」ものが良いととんでもない名前を付けた、という笑い話。 落語は…
新潟のむかし話2の「大蛇の目」の嫁。 かわいそうで涙が出そう。なんで嫁(あねさ)は、目のない大蛇になったのか。 嫁は、おはぎを食べたいだけだったのに。 わたしも、おはぎが食べたい。おはぎが好物だ。こっそり食べれば、うまさ100倍? 十三夜の日、お…
新潟のむかし話2の「兎とフッケロのとびっくら」のフッケロ。 なかなかの好人物(好カエル)だ。こんな人になれたらと思う。 ① まだ、ねむったいところを起こされても怒らない。② 兎が勝手な約束を決めて勝負を仕掛けるが、自分は勝てないと思っても走り出…
新潟のむかし話2の「鏡杉」の態度はりっぱだ。 この地では、昔から杉は育たないと言い伝えられていたのではなかったか? あにはからんや、冬の強い風にもめげず、杉は大きく育った。 何百年も生きた。大木となり、しかも村人の気持ちがわかるのだった。暗い…
新潟のむかし話2「猿むこさ」の末娘には感心させられる。 田なぼに水をかけてもらったから、じさまは娘を猿の嫁にやらなければならなくなった。 一番上の姉娘、2番目の娘が猿の嫁になるのは嫌だと断ると、あとは末娘。 末娘は 「じさま、心配するな。おら…
福の神の持ち物である、打ち出の小槌。願い事をしてこれを振ると、金銀財宝や思い通りの物が出て、長者になったり、一寸法師の背が伸びたりするのである。 だから打ち出の小槌は、富の象徴であり、福を招く宝物である。 新潟のむかし話2「犬と猫と宝槌」の…
嵐にあって木のほら穴に逃げ込んだ木こりは、眠り込んでしまって、夢を見たのだろう。 夢を見ている時は、自分が夢をみているのかどうかわからない。 常日頃かわいい娘と出会えないものかと思っていたから、かわいい娘が現れる。かわいい娘を嫁にできないか…
突然、つれあいに先立たれたばばさの家に、一夜の宿を乞うた、旅のもん。 汚れたなりに警戒心を持つばばさに、「旅の僧だ」と言って安心させた。 翌朝、ばばさはさっそく、「じじさにお経をあげて」と頼んだが、にせ坊さまは、困ってしまう。するとそこに、…
おら、生まれた時から、与作んち、ねぐらにしているにぁ、にぁ。子猫ん時、ネズミ、怖かったにぁ。ネズミ走るの速えかったども、だんだんネズミ追っかけて、おらもネズミくわえられるようになったにぁ、にぁ。捕ったネズミ、見せると、ばあさん、喜んだにぁ…
民話「ホトトギスと兄弟」この話も各地に伝えられている。 弟がうまいものを食べていると邪推した兄が、弟を殺して弟の腹の中を見るというのもあるが、新潟のむかし話では、子供たちに読ませるのに、兄が弟を殺すのではあんまりだからと、弟が自ら腹を裂いた…
佐渡はたくさんの物語を秘めている土地だろう。 新潟のむかし話でも「団三郎ムジナとお三キツネの化け比べ」 団三郎はムジナながら、堂々としていて歌舞伎役者のようないい男の雰囲気がする一方、お三はその名のとおり三度の飯炊き女風?蓮っ葉なふうがただ…
新潟のむかし話「人魚の松」では、島の娘お弁が夜ごと、佐渡からタライ船に乗って番神岬を目指し、宗吉の元に通うのだった。宗吉は断っても断っても、また次の晩にはタライ船でやってくるお弁の一念がおそろしくなって、番神さんの御燈明を消してしまう。そ…
新潟のむかし話「はなたれ小僧」の教訓を考えてみよう。 正直貧乏じいさは、乙姫さまからちんこい男の子をもらって来て、年とりの米だの、塩鮭だの、餅だの、着物だのを出してもらった。それからだんだん欲出して、大きい、いい家、田んぼも畑も、米を入れる…
「三枚のお札」は、おなじみの昔話。全国各地に伝えられているだろう。 昭和60年童心社から出された紙芝居「たべられたやまんば」 作:松谷みよ子 画:二俣英五郎 では、やまんばは和尚にそそのかされて豆に化け、結局、和尚に食べられ、成敗された。 昭和62…
新潟のむかし話「団子ころころ」は典型的な勧善懲悪のお話である。 貧乏だけど正直な稼ぎ手のじさとばさのところには富が転がり込み、隣の欲張りばさと怠け者じさにはそれぞれ、大けががもたらされる。 この両者を比べてみると、まず団子作りである。いいば…
新潟のむかし話の「旅学問」を読んだ。遊び人のあんにゃを旅に出したばさの方針も、体験から学ぼうとするあんにゃの姿勢も、とてもよいと思った。しかし、あんにゃは旅でおぼえてきた言葉を使おうとしたが、肝心な時に、相手には伝わらないのだった。これを…
新潟のむかし話の「ふうふうとんとんいいかん」を読んで楽しくなってしまうのは、なんといっても、和尚さんと小僧さんの食い意地のすごさだ。 和尚さんは甘いものが大好き。小僧が好きなのも知っているが、だからこそ、独り占めして一人でこっそり食べたい。…
昭和39年に童心社から出された紙しばい名作選「つるのおんがえし」では、登場人物は子どものないおじいさんとおばあさん。おじいさんが鶴を助けると、その後、鶴は娘の姿となってやってきた。「どうか、このうちの子にしてください」と言って、おじいさん、…
例えば試験に落ちたときなどに、「実力でしょ」といわれるよりも「運がなかったね」 といわれる方が、優しい慰めの言葉である。 いわれる方も、自分でも9割方、実力が足りなかったと思っていても、「ああ」とか答えてあえて否定はしない。 実力は自分の努力…
このところの新型コロナで巷は姦しい。 新潟のむかし話の「食わず嫁さ」の鬼婆の住む山の岩穴は、そんなニュースが伝わるはずもなく、静かである。しかし、静か過ぎるのである。落ち武者はおろか、旅行者が迷いこんでくることが全くなくなってしもうたんだと…